国際交流

ILCグローバル・アライアンス
「認知症への世界的対応 ILCケープタウン宣言」を発表(2011.10)

「認知症への世界的対応 ILCケープタウン宣言」- は、2010年10月26日に南アフリカのケープタウンで開催されたILCグローバル・アライアンス主催シンポジウム「認知症の世界的拡大:課題と対応」における合意文書である。

本宣言は、シンポジウムにおいて、ILCグローバル・アライアンス各国センター代表者によって採択され、その後、世界の認知症関連機関・団体に周知され、その構成、内容、提言について意見が求められた。ネットワーク上に寄せられた反響は、その後改訂された宣言のドラフトに盛り込まれた。
本宣言は、ジンポジウムに参加したAge Rights International の弁護士・コンサルタントのJill Adkins氏、ILCグローバル・アライアンス事務局長大迫政子氏、アライアンス共同理事長・ILC南アフリカ理事長 Monica Ferreira氏によって草稿された。諸々の意見を考慮してAdkins氏とFerreira氏によって改訂され、国際高齢者団体連盟(International Federation on Ageing :IFA) の機関誌Global Ageingの認知症についての特集号(2011年7月)で発表された。

認知症ケープタウン宣言」(略称)は、認知症の啓蒙に向けて力を結集するためのアドボカシーツールとして作成された。本宣言は認知症に関する動向を把握し、真実を具現化し、認知症関連問題に取り組み、各国が認知症を国の優先課題として緊急に包括的な対応をすることの重要性を強調するものである。

本宣言は、広範にわたる一連の政策・対応策が12の提案項目の形で示されている。これらの提案は、現在および将来の認知症の影響に対応するために、世界、地域、国の取り組みに必要なステップとして、認知症の専門家や研究者、国際的名認知症啓蒙団体によって作成された。

本宣言では、認知症への包括的な対応の基盤として、人権擁護の視点に立った手法とっており、認知症の人に適用できる既存の人権の仕組みを受け入れている。その例として、認知症患者を含む高齢者の人権擁護の強化を目指した国際的な動きを支持している。実際に、その努力は国連の高齢者人権会議の要請につながる可能性がある。

本宣言に明言されている12の提言は、適切な医療・社会的ケアサービスの促進から、認知症の家族および政府の負担を軽減するケアモデルの設計・実施に至る多様な課題を取り上げている。12番目の特定項目では、政策を立案し実施する過程では、最も直接的な影響を受ける個人やグループ、つまり認知症の人とその家族およびインフォーマル介護者など、主要な関係者の参加と情報が重要である点が強調されている。

ILCグローバル・アライアンスは、「認知症ケープタウン宣言」の起草に着手し、その協議と改訂の機会を提供した。そこで今、世界の関係者が本宣言についての討論に参加し、最終的な採択と行動計画の確定に取り組むよう奨める。ILCグローバル・アライアンスは全ての関係者が本宣言について意見を述べ、採択に向けての進め方を提案するよう求めるものである。

ケープタウン宣言PDF

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