ILCグローバル・アライアンス:Mission

2005年度ILC年次合同委員会開催 -南アとアルゼンチンの加盟が承認-
(2005.6.29~30)

6月29日、30日の2日間、リオデジャネイロにおいて、ILCAlliance2005年度の合同委員会が開催された。同時期に開催された第18回世界老年学会に合わせたため、2年ぶりに各国理事長が顔を揃えての会議開催となった。 <参加者名簿は下記参照>

最大の議題であった新規加盟希望国へのインタビューは、周到な準備に基づいた加盟申請書の提出と、その後のやりとりを踏まえ充実したものとなった。
その結果、今回加盟申請書提出の南アフリカ(代表-Monica Ferreira)とアルゼンチン(代表-Lisa Daichman)の加盟が満場一致で承認され、現在のILC Allianceは、アメリカ、日本、フランス、イギリス、ドミニカ共和国、インド、南アフリカ、アルゼンチンの8ヶ国となった。
なお、中国とオーストラリアは次年度のインタビュー実施に向けて、それぞれ日本とアメリカが担当して、申請書の取りまとめを行うことが決定した。

ここ数年ILC Allianceの存在とその活動実績が定着してきており、これからも加盟希望が寄せられることが予想される中で、一定のルールづくりが必要であることが議論された。昨年東京での合同委員会時の決定事項1)最大加盟国数は10ヶ国程度、2)各大陸に2ヶ国程度 とすることが前回欠席のバトラー博士、グリーングロスさんも出席のもと再度確認された。

また、急激に増加したILC Alliance各国間の調整や合同委員会の効率良い準備と運営、充実した共同研究の実施体制づくりなどに向け、Alliance全体の事務局の必要性が議論された。独立した事務局体制の必要性は全員が認めつつも、現在はそれに充当すべきファンドがないため、代替としてアメリカセンターが、肩代わり的に役割を果たすことが了承された。(担当はJames Sheridan氏)。

そのほかの議題として、現在ヨーロッパで進められているプロジェクト"Alliance for Health and the Future" との関係で、プロジェクトベースでのネットワークのあり方について、イギリスとフランスからの提案がなされた。
これについても、ネットワークへの参加各国の任務と特典、責務などを明らかにした同意書をとりまとめること、それをILC Alliance全体の定款に付記することなどが決定した。

なお、厳密な言葉の定義(Partner, Associateなど)についても今後検討されていくことが望まれるとの合意を得た。
次回の年次合同委員会はインドがホスト国となり、2006年8月にPuneでの開催が決定した。

<参加者>
Dr. Robert N. Butler, Dr. Francoise Forette, Baroness Sally Greengross, Dr. Rosy Pereyra, Mr.shigeo Morioka Dr. Sharad D.Gokhale, Dr. Harrison Bloom, Dr.Takako Sodei, Dr. Masako Osako, Mr. Akira Miura, Ms. Yoko Shido

世界老年学会でILC Allianceとしてセッションを主催
-健康・長寿は富をもたらすか-

6月26日から30日までリオデジャネイロで開催された第18回世界老年学会において、ILCは6ヶ国の理事長を発表者とするセッションを主催した。
共通のテーマとして「Do Health and Longevity Generate Wealth?- 健康・長寿は富をもたらすか」を掲げ、アメリカ、日本、インド、フランス、イギリス、ドミニカ共和国の理事長が、それぞれの国における実状と課題、将来への展望などを約15分に整理して発表した。

これは、4年前にバンクーバー(カナダ)で開催された第17回世界老年学会で「Cultural Perspective on Longevity」と題して同様なセッションを主催したことや、2004年国際アルツハイマー病協会第20回京都国際会議における"Who Cares"の発表に続くものであり、共通テーマで各国の実状や課題を発表するというILC Alliance の共同事業の代表的なものとなっている。

日本は森岡理事長が「健康・長寿と富の関係‐私のジレンマ」というサブタイトルを付け、経済・財政諮問会議の結論などを図表にまとめたうえで、日本の実状とそこから見えてくる問題点を指摘しながら発表を行った。特に日本に顕著な「少子化」が、長期的な経済にもたらす影響を正確に予測できない現在、楽天的に「健康と長寿が国を繁栄に導く」とは結論づけられない、という論理は説得力あるものとして受け止められた。

フランスは、高齢者雇用の促進が個人レベルでも経済活動のレベルでも、富をもたらすものであるとし、イギリスは健康と長寿への投資が国を豊かにすることが証明されているにもかかわらず、Healthy Ageingが平等に概念化されていないことが課題として指摘された。このように各国が同じテーマでそれぞれの実状と課題を発表し合うセッションは大変に興味深いものであり、大きな関心を呼んだ。

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