2008年度老年医学専門家プログラムのために十分な議会ファンドの確保を目指し、キャンペーンが継続されている。上下院ともに、2008年度労働・健康福祉・教育歳出予算法の各バージョンの老年医学教育研究財源として3,150万ドルを計上している。これは2006年度に削除されたものの、翌2007年に取り戻したレベルと同等である。額はまだ確定していないが、米議会はこの重要な決定に責任をもって取り組む姿勢をみせている。2007年度の3,150万ドルの財源は、88の老年医学学術研究賞(geriatric
academic career awards 、GACAs)、48の老年医学研究センター(geriatric education centers, GECs)、11の老年医学研修プログラム賞(医師、歯科医、行動・精神医学専門家対象)を助成する資金となった。88のGACAは、全米の医学校の老年医学研究者の研究振興を支援し、ヘルスケア提供者全員が何らかの老年医学研修を受講することを可能にすると期待される。さらにGECは、高齢者の保健関連のニーズに合わせた学際的研修を継続して主導して行くであろうし、老年医学研修表彰は、それぞれの研究領域で高齢者ケアについて教えたいと願う医師、歯科医、行動・精神医学専門家を助成する奨学金や再研修を支援することになろう。
このような多面的な内容を持つ老年医学専門家プログラムは、高齢化が進む国によりよいヘルスケアを提供する上で不可欠である。彼らが米議会の支援を継続して受けることは極めて重要である。
AARPはTowers Perrinとの共著 “AARP Profit from Experience: Perspectives
of Employers, Workers, and Policymakers in the G7 Countries on the New Demographic
Realities”(「AARPの体験からの利益:最近の人口統計的現実についてのG7諸国の企業、労働者、政策立案者の展望」) を刊行した。本書は、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7諸国の高齢労働力問題を概観したものである。この問題に対して、社会的、法律的、政治的にどのような適切な取り組みを進めようとしているかに関しては、7カ国間に大きな相違があることが分かった。また、個人、企業、政府がこの問題のために出来る方策について論じ、「時代の先端を行く企業と国は、潜在する熟練労働力を開拓し、仕事や定年について過去の考え方を改革するチャンスを持っている。」と述べている。
報告書の閲覧
http://www.aarp.org/research/work/employment/intl_older_worker.html
米国国勢調査局は、報告書“Health and Health Care of the Older Population
in Urban and Rural China: 2000”(「中国都市部・農村部の高齢者の健康とヘルスケア:2000年」)を刊行。これは、2000年における中国1億4,000万人の高齢者の健康状態とヘルスケアについての分析で、行動の制約、自己申告による健康状態、慢性病の蔓延、生活様式、メンタルヘルス問題、医療介護サービスの利用等が含まれる。分析結果の一つとして、中国高齢者のほぼ半数は、行動が制約され、女性と同居、未婚、低学歴であることが分かった。貧困者ほど多くの制約をもつ傾向がみられ、約55%は慢性病があると報告されている。
さらに、農村部の高齢者は、通院や入院といった系統だったヘルスケアではなく、十分体系化されていない往診などを受けることが多く、その数は2倍以上にのぼる。医療費の支払いについての結果では、最大半額まで高齢者が自己負担し、3分の1は子ども等の家族が支払い、わずか10%が保険でカバーされている。
詳細
http://www.census.gov/prod/2007pubs/p95-07-2.pdf![]()
ILC英国センターは、ヨーロッパにおけるメンタルヘルスに関する提言に協力している。Bristol-MyersSquibb(製薬会社)、大塚製薬、ILC英国センターによって、ウェブサイトImpleMENTIS が開設された(http://www.ImpleMENTIS.eu)。これは、サービス利用者、介護提供者、権利擁護団体が、既存のメンタルヘルス政策やサービスを再検討し、議員に変革を求めるのを支援するために作成されたネット上の情報源である。本サイトに掲載されているILC英国センターの報告書 Moving to social integration of people with severe mental illness: from policy to practice’(重度精神疾患者の社会参加―政策から実践まで)が基礎となっている。
Social Security Administration (SSA)社会保障庁は、“International
Update” の最新号を刊行。これは、海外の公的年金・民間年金、社会保障および定年問題を取り上げている月刊誌で、今月号には、イタリア、アルゼンチン、ペルー、韓国、台湾、南アフリカのニュースのほか、国連の最新報告World
Population Ageing 2007も含まれている。
詳細
http://www.socialsecurity.gov/policy/docs/progdesc/intl_update/
2007-09/2007-09.html
SSAはまた、“Social Security Programs Throughout the World: Africa, 2007,”
「世界の社会保障計画:アフリカ 2007年」を刊行。これは、全4巻シリーズの一巻。アフリカ44カ国の社会保障制度について国際比較を行い、これら諸国の5つの主要な社会保険プログラム((1)高齢、障害、遺族、(2)病気と出産、(3)労災、(4)失業、(5)家族手当)について要約したものである。
本書は社会保障の課題への多様な取り組みについて検討し、高まりつつある個人、世帯、家族のニーズに制度を適応させようとする研究者や政策立案者に情報を提供することを目的としている。
報告書の閲覧
http://www.ssa.gov/policy/docs/progdesc/ssptw/2006-2007/africa/index.html
英国労働年金省は、“Employer Responses to an Ageing Workforce: A Qualitative Study”「高齢化する従業員への企業の対応:定性的研究」と題する報告書を刊行した。これは2006年10月、職場での年齢差別を不法としたEmployment Equality (Age) Regulations 2006(2006年雇用平等(年齢)法)の導入に伴い、企業はどのように高齢労働力を取り扱っているかを調査したものである。その結果、大部分の企業は高齢労働力を資産と考えており、通常の定年が間近い従業員の雇用延長に好意的であるとしている。また、熟練技術者の求人が困難になってきているため、もっと高齢者に好意的な人材管理運用(特に現役継続や柔軟な就労に関して)を採用するよう企業に勧めているようである。 しかし求人に関しては、ほとんどの企業が年齢差別を廃止しているにもかかわらず、その結果が高齢者の求人増加に表れていない点が指摘されている。また、管理職の採用における間接的な差別には更なる注意が必要であると述べている。
国連経済社会局は、世界の高齢化に関する二つの政策の概要を発表した。 一つは、“Managing
Health Care in an Ageing World”(高齢化する世界におけるヘルスケア管理)で、世界の人口の高齢化がいかに既存のヘルスケアシステムに重大な問題を引き起こすか、サービスの様式、健康保険制度の適用範囲、医療研究の方向性にどのような変革が必要かを論じている。しかし、2007年国連の世界経済社会調査のデータを引用し、高齢化は必ずしも保健医療費の上昇の主要因ではなく、慢性病の発生を減少させるために政府が予防策を重点的に推進すれば、こうしたコストはすべて抑制できるだろうと結論づけている。発展途上国は、公的保険制度等の系統だったシステムの導入によって病弱や疾病率と関わる財政危機に備える必要があると述べている。
詳細
http://www.un.org/esa/policy/policybriefs/policybrief2.pdf
二つ目は、“Tackling Insecurity in Old Age: The Challenge
of Universal Pension”(高齢期の不安に立ち向かう−国民皆年金の課題)である。発展途上国の高齢者の80%にあたる約3億4,200万人は十分な所得が保障されていない。2007年の国連の世界経済社会調査によると、もし年金保障が人口の変化に追いつかないと、所得が不足している人の数は2050年までに12億人に上昇するだろうと述べている。既存の国の実践、財政状態、公正な対価などに応じた公・民混合のイニシャティブから成る包括的な年金制度の基盤を提供するとともに、誰もがそれ以下にはならない最低額を設けることで、最小限の国民皆年金でいかに最も確実な対応法を提供するかを論じている。
概要
http://www.un.org/esa/policy/policybriefs/policybrief3.pdf![]()