ILCの研究者で、世界都市プロジェクトの共同責任者であるビクター・ロドウィンの編集による『フランスにおける国民医療保険:いかにして持続可能か』“Universal
Health Insurance in France : How Sustainable?”がワシントンD.C.のフランス大使館より刊行された。本書にはフランスの国民医療保険制度の財政と仕組みに関する一連の論文が掲載されている。本書の基本的なねらいはアメリカが無保険者の増加と医療支出増大の問題に懸命に取り組む中で、フランスの制度について紹介することである。実際に、WHOによって2000年に最良のシステムと位置づけられたフランスの医療制度はカナダ、英国、ドイツよりもアメリカの制度に類似しているとロドウィンは述べている。
本書はまた、フランスの医療制度の財政的課題への取り組みとともに、その長所と弱点についての理解を促すことを意図している。そしてフランスの制度は個人負担の増加を含む予算面の難題に直面しているが、その構造は制度の持続性を保持するために、すべての加入者、政府、市民、医療提供者が最小限の適応を行うだけの融通性を備えていると見られることに注目している。本書は医療改革が2008年の選挙の重要な国内問題として浮上する中で、米国における政策立案者や政策支持者にとって有益な情報となるだろう。
「高齢化に関するマドリッド国際行動計画」の採択から5年を経過した高齢者の状態に関 する研究を発表し、世界の高齢人口の状況は悪化していることを報告している。
ヘルプエイジによると、政府が世界の急速な高齢化に向けた準備を進めてこなかったために、高齢
者は多くの国において最も貧しく最も弱い立場に取り残されている。ヘルプエイジとその 協力団体がバングラデシュ、モルドバ、セルビア、ウガンダ、べトナムで最近行った国別
調査では、これらの国の高齢者は年金のようなセーフティ・ネットがなく、権利が尊重さ れず、広くはびこった差別を受けながら、定期的な収入を得るために70代、80代、或いは
死ぬまで働く必要があることを明らかにしている。
マンパワー社は高齢労働者の募集と獲得に向けた経営者の取り組みを評価するために、25か国で28,000人の経営者を対象に行った調査結果を盛り込んだ『高齢労働力への新たな課題』“The
New Agenda for an Older Workforce”を刊行した。
本書の分析によると、大多数の経営者は次の10年間に退職する労働者のパーセンテージを予測していないばかりか、高齢者を募集し獲得する有効な戦略を立てていない。マンパワー社は労働力の高齢化という新たな現実に対する備えができていない企業は生産性と知的財産の損失とともに、人材の不足に直面するだろうと述べている。本書では労働者を確実に現役に留まらせ、高齢従業員が仕事と生活のバランス設計を行うための、従業員の職務経験を通した人材管理への新しいアプローチを提案している。また、政府は高齢者がより長く就労するよう雇用主と個人に対して変化を促す必要があるだろうと述べている。
実際に幾つかの政府はこの分野ですでに前進しており、法律面の取り組みや雇用促進プログラムなども要因となって、日本やシンガポールの雇用主は高齢労働者獲得の戦略作りの面で、イタリアやスペインの雇用主よりはるかに積極的である。
米国社会保障庁は『国際最新情報』“International Update”の最新号で、公的年金・民間年金に関する最近の進展を紹介している。本号ではルーマニア、アルゼンチン、台湾、南アフリカの情報とともにSSA報告『世界の社会保障プログラム:アジア・太平洋地域』“Social Security Programs Throughout the World: Asia and the Pacific”を掲載している。