ILC-USAは「高齢化する米国の医療介護再編」"Redesigning Healthcare for an Older
America"と題する報告書において、米国の高齢化に対し、消極的な包括的医療プログラムよりも先進的なプログラムの進展について取り上げている。米国史の中で最大となった高齢人口の課題に対応するために、現在の不安定な制度を修正するのではなく、医療介護制度を再編するときがやってきたと述べている。本報告書は、40年前にメディケアの考案によって普及した制度の総点検と再考を行うべきだとし、新しい仕組みでは健康増進、疾病予防、慢性病の治療、高齢研究への投資の増額などを中心に据えるべきと述べている。また、高齢者がかかる多くの病気を撲滅するなど、メディケアを新しい方向へ導く可能性を探求する患者中心の取組みが必要だと述べている。
本報告書はILC-USAが経済、社会福祉事業、政治学、医学の専門家14人を集めて開催した2日間のワークショップをうけて作成された。参加した専門家らは、従来のガイドラインを見直し、米国の高齢者医療を確実なものにするために必要な枠組みを盛り込んだ8つの基本原則を策定した。
公衆衛生の発展とともに、予防、診断、治療の改善のための生物医学的、社会行動学的な研究と技術開発への政府と民間の機関による投資の増大が必要であると総括している。
参照
http://www.ilcusa.org/media/newsroom.htm
CDCは、年次報告として、「米国の健康2006年版」"Health, United States, 2006"を刊行し、国民の健康に関する様々なデータの提供と膨大な動向分析を行い、公衆衛生プログラム、研究、医療介護、保健教育に対して相当な財源が提供されたことなどにより、国全体としての健康は改善していると分析。主なデータは次のとおり。
参照
http://www.cdc.gov/nchs/hus.htm
PBGCは最新の年次報告書において、企業の単一使用者年金プラン(single-employer pension plan)に対するPBGCの保証プログラムについて、2006年度の赤字額が前年の228億ドルから181億ドルになったことを公表した。僅かながらの改善は主に本年議会を通過した企業年金保護法(Pension
Protection Act)の航空会社救済条項によっている。
PBGCの保証プログラムは約28,800件の年金プランを対象に3,400万人の年金を保証しており、2006年度は94件の制度終了したプラン(terminated
pension plan)を取り扱った。本報告書はまた、PBGCが2006年には前年と同じく130万人の就労者と退職者に年金給付を行ったこと、その給付額は前年の37億ドルから41億ドルに上り、2007年には48億ドルに達すると推計されると述べている。
参照
http://www.pbgc.gov/media/news-archive/news-releases/2006/
pr07-05.html
同センターは「EU25ヶ国における就労から退職への移行」"Transition from Work
to Retirement in EU25"を刊行し、欧州各国は人々がより長く就労する動機付けを与えて早期退職の流れを変える必要があると述べている。最善の方法は「融通性をもたせて退職を遅らせること」(flexible
later retirement)をすすめることである。そのためには、人々が高齢期において仕事をかわるだけではなく、退職給付の資格を失わずに継続してパートタイムで働けるようにするというような特別の動機付けが必要である。こうした動機付けによって高齢労働者はフルタイム勤務から完全退職へという「絶壁転落」の事態を回避できると述べている。
参照
http://www.euro.centre.org/detail.php?xml_id=811
ヘルプエイジ・インターナショナルは「長期化した非常事態における生活の再構築」"Rebuilding lives in
longer-term emergency"を刊行し、ダルフル(スーダン)の紛争が高齢者に及ぼした影響について報告している。
この地域の状況と強制退去させられた人々を救済する国際的な努力は注目を集めているが、ヘルプエイジの報告では難民キャンプで生活する高齢者は、女性や子供ばかりに援助が集中するなどさまざまな理由からこうした努力の恩恵をほとんど受けていない。その上、強制退去させられた高齢者はこれまで自分を支えてくれていた大家族から引き離され孤立している傾向がある。
本報告書は医療問題、社会的孤立、世代間支援の欠如など、高齢者が特に傷つきやすい分野に対処するべくヘルプエイジが取り組んでいる支援について紹介している。また、最も目につくところではなく最も弱っているところを助けるなど、非常事態の長期化の中で高齢者をより良く支えるための一連の提案をしている。
参照
http://www.helpage.org/News/Latestnews/@39290
韓国国立統計局は寿命の伸びと出生率の低下による韓国の急激な高齢化について明らかにする新しい人口予測を発表した。これによると65歳以上の高齢者の人口は現在9.1%であるが、2018年には14.3%、2026年には20.8%と劇的に増加すると予測される。また年齢中位数は2005年の34.8歳から、2050年には56.7歳になるとの予測も示している。
参照
http://www.nso.go.kr/eng2006/e01___0000/e01b__0000/e01ba_0000/
e01ba_0000.html
英国の雇用年金省は報告書「高齢者の自立と福祉」"Independence and well-being of older people"を刊行。これは高齢者の福祉と自立に関する指針をまとめたもので、指針は高齢社会に対処する英国の戦略「Opportunity Age」として特定された次の5つの領域を網羅している。
具体例として2001年における50歳以上の年齢層に対する「福祉」の評価点数(‘well-being’score)の平均点は50歳未満の年齢層に対するものと同じであった。しかし、この測定は50歳以上の年齢層の中での違いを明示しておらず、特に80歳以上の高齢者については他の年齢層に比べ低い点数になっている。
参照
http://www.dwp.gov.uk/opportunity_age/indicators/
CDCは疾病・死亡率の週報において転倒による高齢者の死亡と傷害のデータを発表。
不慮の転倒は高齢者には起こりやすいことで、毎年65歳以上の高齢者の約30%が経験している。本研究では重傷を負う転倒や腰骨骨折による入院の1993〜2003年の割合と、2001〜2005年の転倒による軽傷の割合における傾向を分析している。重傷を負う転倒が男女ともに相当増え、特に男性は著しいという結果となっている。
報告では日常的な鍛錬や副作用減少実証済みの薬剤摂取など、転倒を減らすための幾つかの予防策が挙げられているが、地域社会での実行には限度があり、より広範な適用にはもっと多くの手段が必要であると述べている。
参照
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5545a1.htm
家族介護同盟Family Caregiving Allianceは、持病のある人や障害者、高齢者の家族介護者による「無料」介護を金額算定すると2004年には2000年より19%増の3,060億円に跳ね上がったことを明らかにした。この数字は長期介護の大部分をになっている家族介護者に対し、教育と支援のプログラムや政策をあらゆる面で発展させる必要があることを示している。
参照
http://caregiver.org/caregiver/jsp/content_node.jsp?nodeid=1807
報告書「退職後の家計の資産構成に何が起こるか」"What Happens to Household Portfolios
After Retirement?"を刊行し、退職世帯が住宅、乗り物、銀行口座、個人退職口座、株式、不動産などの資産をどのように使うかについて分析している。
本報告によると、世帯が高齢化するとともに所有財産には大きな変化が起こる。住宅や乗り物の所有は劇的に減少し、銀行口座と譲渡性預金(Certificates
of Deposit:CD、定期預金の一つにあたる)に投資される資産の割合は増加する。家計資産構成におけるこのような変化は、健康に関する衝撃的な出来事が主要な要因であるが、寡婦になった衝撃で住宅、乗り物、不動産などを売り、現金を銀行口座や譲渡性預金に転換してしまうことも大きな要因となっていると分析している。
参照
http://www.bc.edu/centers/crr/ib_56.shtml
報告書「民営化の代償-メディケア・アドバンテージ・プラン(MAプラン)への特別支出 最新改訂版」"The
Cost of Privatization: Extra Payments to Medicare Advantage Plans-Updated and
Revised"を刊行し、メディアケア・マネージドプランの受給者への支出が従来のプログラムの受給者に対する支出を12.4%上回っていることを指摘している。このプランの受給者は560万人で、2005年の支払い額は52億ドルに達している。メディケア・マネージドプランは一般に従来のメディケアより給付が多く、個人の出費も少ない。MAプランへの特別な支出は、このマネージドプランの発展を促すことを意図していると述べている。
参照
http://www.cmwf.org/publications/publications_show.htm?doc_id=428546
※1:メディケア・アドバンテージ(メディケア・パートC)とは
メディケア・パートA/B双方に加入している者が加入可能。民間の保険者が政府に代わってパートA/Bの給付を請け負い、加入者1人当たり定額の報酬をメディケア・メディケイド サービスセンター(CMS)から受領したうえで、給付内容・サービスに係る競争を行い、パートA/Bと同等以上の給付を行うというもの。例えば、パートA/Bで給付対象外となっている予防検診などの給付が認められている。しかし、民間保険者が経費圧縮のために医師や医療機関へのアクセスを制限することが多いため加入者は少ない。
投資会社の全国団体であるICIは「401(k)プラン:25年の回想」"401(k) Plans:
A 25-Year Retrospective"を刊行し、401(k)プランが25年前に創出されてからの役割の拡大について論じている。401(k)プランは当初、従来の年金制度の不足分を補うものと見られていたが、現在は4,700万人、従来の確定給付年金システムと比べると加入者数は2倍となっている。また、2005年には民間の確定給付年金の資産総額が1兆9,000億ドルだったのに対し、401(k)プランは2兆4,000億ドルの資産を保持している。
本報告は401(k)のようなプランが発展した理由を明らかにし、これらが退職後所得の蓄えになることを強く主張している。
参照
http://www.ici.org/statements/nr/06_news_401k_anniv.html