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国際長寿センター INTERNATIONAL LONGEVITY CENTER JAPAN
ホーム > 海外情報(Policy Reportトップ) > 2006 ILC Policy Report 7月号
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■国際長寿センター(米国)ILC-USA:アルツハイマー病についての報告書を刊行

ILC-USAは、報告書「21世紀の病気−アルツハイマー病」“Alzheimer’s: The Disease of the Century”を刊行し、アルツハイマー病研究分野で著名な二人の論文を紹介した。
Dr. Stan I. Rapoportの論文「アルツハイマー病−30年間の道のり」は、アルツハイマー病の原因と治療に関する過去の研究を概括。これまでの研究で明らかになったアルツハイマー病の多様なメカニズムを明らかにし、科学者たちによる分子化学、神経細胞研究などからの治療法への取り組みがすすんでいることを詳述している。
Dr. Larry D. Wrightの論文「アルツハイマー病の介護:課題と機会」は、アルツハイマー病患者の介護に関連する問題点や方策について論じ、アルツハイマー病が家族や社会に与える劇的な衝撃について述べている。治療法がなくても、質の良い介護と支援を患者と家族と介護提供者にいかに提供すべきかについては多くのことが明らかになっている。そのような介護のシステム化が行われれば、患者は尊厳を維持しつつ心のこもった介護を受け、介護提供者は日々の心の安らぎを得られるということを、アルツハイマー病になってしまった人が少なくとも知ることはできる。
本報告書の序文でILC-USA理事長のDr. Robert N. Butlerは、「治療法がないとすれば2040年までには1,400万人がアルツハイマー病になると予測され、そのことが介護提供と財政の深刻な危機を招き、家庭生活や国家の生産力にも壊滅的な結果を招く」と注意を促している。

参照
http://www.ilcusa.org/pub/books.htm

国際ニュース
■議会予算局Congressional Budget Office(CBO):ソーシャル・セキュリティに関する長期計画を発表

「ソーシャル・セキュリティに対する関する長期計画・最新版」“Updated Long-Term Projections For Social Security”を刊行。
2019年にはソーシャル・セキュリティへの支出が歳入を上まわり、信託基金は2046年には使い果たされるとの見通し。信託基金を使い果たした後の数年間はソーシャル・セキュリティの税収からの歳入と支出をイコールにせざるを得ないため、支払い可能な給付金は予定された額を大幅に下まわることになる。しかし、CBOの支給額予測によると、将来はソーシャル・セキュリティ税の支払いも増えるが、現在よりも多くの退職給付金をうけとるだろう、とのことである。平均的な収入の増加は、ソーシャル・セキュリティの給付金にも結びつくので、これこそが予定される給付金の今後の増加につながるだろうと結んでいる。

参照
http://www.cbo.gov/ftpdoc.cfm?index=7289&type=1

■環境保護庁Environmental Protection Agency(EPA):異常高温現象について地域当局者へ情報提供−高齢者への健康被害を憂慮

EPAは、「異常高温現象ガイドブック」“Excessive Heat Events Guidebook”を刊行。
地域の保健および保安担当の当局者たちに、異常高温現象に備え、対応できるような情報を提供。異常高温現象が死亡者数の増加を招いたり、高齢者を含む多くの人々の致命的な健康被害につながることを指摘。この現象はどのように正確に予測されるかについて述べ、低コストで有効な多数の対策が実行されるなら、将来の異常高温による健康被害は減少し得る、としている。

参照
http://www.epa.gov/aging/

国際ニュース
■デンマーク:議会が退職年齢の段階的引き上げを承認

デンマーク議会は、2027年までに退職年齢を65歳から67歳へ、2022年までに早期退職年齢を60歳から62歳へ段階的に引き上げるという法案を可決した。この引き上げは人口高齢化に対処するとともに、国が社会福祉システムを維持するために必要なものと考えられた。デンマークはその一方で経済のグローバル化に対応し、国際競争力を強化するために海外から技術力のある移住者や研究者を呼び寄せている。

■欧州連合EU:欧州委員会が健康関連ポータルサイト“Health-EU Public Health Thematic Portal”を発信

欧州委員会は、市民、患者、医療専門家や科学者などに向けて、健康に関する幅広い情報を提供するポータルサイトを開設。このウェブサイトはEUの公用語、全20か国語に訳され、EU加盟国や国際的な機関、NGO団体に関連のある情報やデータを発信。
ヨーロッパの市民にEU域内の公衆衛生の構想や、プログラムに関する総合的な情報に手軽にアクセスしてもらうことがこのウェブサイトの目的の一つである。
このウェブサイトには高齢者をテーマにしたページがあり、健康増進に関する情報、高齢者のケアに関する政策やプログラム、高齢化に関する多様な健康指標などが提供されている。

参照
http://ec.europa.eu/health-eu/index_en.htm

■米国 社会保障庁Social Security Administration(SSA):各国の公的年金・個人年金の展開について報告

「国際最新情報」“International Update”の最新号を刊行。
英国、アルゼンチン、カナダ、オーストラリアの公的年金、個人年金の制度に関する最新情報を報告している。また、国連のレポート「社会保障の将来を構築−アクセス、財政、連帯」“Shaping the Future of Social Protection: Access, Financing, and Solidarity”が掲載されている。

参照
http://www.ssa.gov/policy/docs/progdesc/intl_update/
2006-06/2006-06.html

■英国 経済社会研究委員会Economic and Social Research Council(ESRC):高齢化に関する報告で、今後の退職後の生活を憂慮

英国の経済社会研究委員会は「高齢化の統計的様相」“Demographic Aspect of Population Ageing”を刊行。
出生率や死亡率の根本的な変化、高齢者の配偶者の有無の変化、子供と同居する高齢者の割合、高齢者とその親戚との関わりの最近の傾向などについて、鍵となるデータをとりあげ、解説している。
結論として、「子供たちは退職後親たちよりも良い生活をすると想像されがちだが、家庭や労働市場における最近の変化の結果、将来は必ずしもそのようにはならない。ベビーブーマーの中には両親たちよりも不安な退職を迎える者もいるだろう。」と述べている。 さらに報告は健康と身体障害、配偶者の有無と子供の数、就労曲線、民族の多様化など、最近の傾向に関するもっと多くの、有用な情報とデータが必要であるとしている。
参照
http://www.esrcsocietytoday.ac.uk

■国連:世界の人口予測データを報告

経済社会局人口部は、「世界人口予測2004年改訂版Vol.3」“World Population Prospects 2004 Revision, Volume 3 The Analytical Report”を刊行。次のようなデータを報告している。

参照
http://www.un.org/esa/population/publications/WPP2004/
WPP2004_Volume3.htm

ILCトピックス:高齢化に関する研究
■身体活動:身体活動は死亡の危険性を低下させる

“Journal of the American Medical Association”7月12日号によると、家事労働を含め高齢者の活動のレベルが高いほど死亡のリスクを減じることができる。また、個人の身体活動の主観的な報告より、安静代謝率(RMR)、二酸化炭素の排出量、など日常生活における個人のエネルギー代謝の測定を重視している。これによって、いかなる身体活動も長寿に役立つことを示す証拠がさらに明らかになった。
参照
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/296/2/171

■医療の質:よりよい医療が医療コストを下げると報告

非営利団体のPremiere Inc.は、メディケア・メディケイド サービスセンター(CMS)と共同で、報告書を刊行。
肺炎の治療や心臓バイパス手術に対して一般に受け入れられるレベルの医療措置を行うことで、10億ドルの節約ができると指摘している。また、250の病院からデータを集め、受けている医療措置が少ない人の方が、医療措置を多く受けている人よりコスト高になることを分析した。より高いレベルの医療を提供することが、死亡数や入院日数の減少につながると結論している。

NPOだより
■ボストン大学定年研究センターBoston College Center for Retirement Research:現役世代、退職後は生活水準の維持が「危険」へ

「新しい国民退職リスク指標」“A New National Retirement Risk Index”を刊行。
本書は、現役世代が退職時に退職前の生活水準を維持できるかを評価する、新しい「国民退職リスク指標」(National Retirement Risk Index:NRRI)について説明している。本書によると、現在の退職者の大多数は退職後を豊かに過ごすことができる。このグループは恵まれた高齢期(golden age)の生活をしているが、ベビーブーマーや「X世代の人」(※1)がここ数十年のうちに退職年齢を迎えるにつれて、そういう人は少なくなっていくと分析されている。また、現役世代の4割以上が退職前の生活水準を維持できない「危険」があることが明らかにされた。貯蓄を増やし、わずか2年でも長く働けば見通しは向上すると述べている。
参照
http://www.bc.edu/centers/crr/ib_48.shtml

※1:X世代の人(Generation Xers)とは
ベビーブーマー(1946〜1964年生まれ)の後に生まれた世代で、1965〜1976 の人口急減期に生まれた世代。(時期は諸説あり)

■全米社会保険学会National Academy of Social Insurance(NASI):メディケア割引プログラムの利用促進へ−メディケア・パートD利用促進など

「メディケア割引プログラムの改良」“Improving the Medicare Savings Programs”を刊行。
本書では、メディケア割引プログラムの有資格者の登録数が低いことや、登録への障壁、登録を増やす方法が紹介されている。本プログラムは低所得者がメディケアの保険料やそのほかの負担分の支払いを補助する制度だが、認識不足や面倒な申請方法などからこのプログラムの補助をうけているのは、有資格者のうち3人に1人以下となっている。メディケア割引プログラムの利用を増やすべく、個人宛に通知を送ったり、メディケア・パートDの補助やメディケア割引プログラムから一律の基準を選ぶなど、低所得者によるメディケア・パートDの処方薬費補助の利用を増やす努力がなされている。
参照
http://www.nasi.org/usr_doc/
Improving_the_Medicare_Savings_Programs.pdf

■RANDコーポレーション RAND Corporation:人生の最期を豊かに過ごすためには-医療制度と高齢者との間を埋める対策を提案

RANDコーポレーションは「人生の最期を豊かに過ごす−高齢期の慢性病に適応した医療介護」“Living Well at the End of Life: Adapting Health Care to Serious Chronic Illness in Old Age”を刊行し、人生の最期の段階での慢性病についての一連の研究を総合して分析した。
人生の最期における慢性病や障害の状態についての変化を論じ、多くの米国人は急性よりも病気が長引くことによって死亡する傾向があることを明らかにした。現在の医療制度と患者のニーズとの間にあるズレについて説明し、慢性病を患う高齢者のニーズにあった制度づくりのための構想をまとめている。介護提供者の不足への対応、高額の医療よりも安心できる看護や家族の支援を好む高齢者の願いへの気配り、認知症の方が生活の中でできることについての見極めなどが提案されている。

参照
http://www.rand.org/pubs/white_papers/WP137/

 
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