老年医学の研究・教育への財政支出復活で大きな前進があった。下院の労働・健康福祉小委員会が保健資源事業局Health Resources
and Services Administration(HRSA)の2007年度老年医学保健専門家プログラムに3,150万ドルを復活させたのである。この歳出は今年度予算からは除外されたもので、そのため老年学学術業績賞Geriatrics
Academic Career Award(GACA)をはじめとする老年医学関係の学術団体や専門家養成機関の活動は存亡の危機に立たされていた。
この予算復活には下院の歳出委員会の承認や上院での同様の手続き、さらに両院の本会議での承認が必要である。ILCとその友誼団体は歳出決定のプロセスが続く残り数か月の間、老年医学関係のプログラムの重要性を強調する。3,150万ドルの予算投入はささやかではあるが、高齢者の医療と福祉への有効な投資である。
SSAは隔年報告「55歳以上人口の収入」を発表。その中で55歳以上の人たちの収入の主な源泉とその金額、そして彼ら全体としての収入と困窮度について、70以上の統計データを掲載している。
参照
http://www.socialsecurity.gov/policy/docs/statcomps/
income_pop55/2004/index.html
オーストラリア財務省は老齢退職年金制度の合理化・単純化を進めるプランを発表した。このプランには退職者が直面する複雑な税金問題の単純化、退職者所得の改善、老齢退職積立て金の引き出しを可能にする柔軟な運用などが盛り込まれている。
さらにこのプランは高齢労働者が労働力として留まれるよう、税制面での阻害要因を除去し、仕事と貯蓄への意欲向上を促している。
参照
http://www.treasurer.gov.au/tsr/content/pressreleases/2006/042.asp
4月から第3期の「科学技術基本5ヵ年計画」(Basic Science and Technology Plan)がスタートした。2006〜2010年に及ぶこの計画には研究開発費として約25兆円(約2210億ドル)が必要となる。計画の背景には日本の高齢化、少子化、資源とエネルギーの海外依存がある。科学技術政策担当大臣の松田岩夫氏によれば、これらの課題のために日本は新しい技術開発による経済生産性の向上に特に関心を寄せており、第3期計画に盛り込まれた構想には「電池自動車の開発」「地球環境調査の技術開発」「微小がん探査の医療技術開発」などが含まれている。
1996〜2000年の第1期5ヵ年計画では博士号取得後の研究者へのサポート強化など、技術革新のための人的基盤の整備に特に力点を置いていた。
2001〜2005年の第2期計画の二本柱の一つは政府開発投資への戦略的重点課題の設定であり、「ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料」が重点課題に掲げられた。二つめの柱は国際競争力強化のための科学技術研究環境の大改革を含んでおり、政府はこの目的のために研究財源を大幅に増額した。
参照
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/syutyo/houbei.html
ノルウェー統計局 Statistics Norwayは近年の退職者夫婦世帯は家計収入が若年層より増加している、という新たなデータを発表した。高齢人口の収入増加について、統計局の代理機関は「近年退職した年金受給者は以前の年金受給者と比較して、実質的に年金額や財産所得が多い」と述べている。そして、年金受給世帯は近年の年金収入の大幅な増大の恩恵に浴しているが、一方、若年層の所得の伸びの鈍化は2000年以降の労働市場が難問を抱えた結果である、としている。
参照
http://www.ssb.no/ifhus_en/
「国際最新情報」“International Update”の最新号を刊行。
世界各国の公的年金、個人年金の制度に関する最近の展開を報告している。本報告では特に年金基金の資産運用に関するOECDの新たなガイドラインとともに、マルタ、チリ、中国、ナイジェリアについて論じている。
参照
http://www.ssa.gov/policy/docs/progdesc/intl_update/
2006-05/2006-05.html
英国政府は待望の白書「退職後の保障-新しい年金の仕組みに向けて」を刊行。 英国の退職制度が直面する課題を概括し、それらの課題に取り組む総合的なプランを提示している。プランの主要な内容は以下のとおり。
参照
http://www.dwp.gov.uk/pensionsreform/whitepaper.asp
国連の経済社会局人口部は「世界の死亡率レポート2005」“World Mortality Report 2005”を刊行。これは国連加盟国、非加盟国を含めたすべての国の、すべての年齢層における死亡率のレベルや傾向を記録した初めての試みである。本報告書は192の国について、死亡の危険要素、出生時と65歳における余命、妊婦死亡率、HIV感染の広がりと、これらの課題に対する国家政策を明らかにしている。
参照
http://www.un.org/esa/population/publications/worldmortality/
WMR2005.pdf![]()
“Archives of Internal Medicine”の5月22日号の研究で、歩行スピードの鈍化、バランス感覚の消失、握力の低下を抱える高齢者は、こうした問題のない高齢者に比べ認知症になる可能性が3倍になることを明らかにした。この研究は2,000人を6年間追跡調査したもので、調査開始の時点で身体的な問題を抱える人のほうが認知症になる傾向が高かった。本研究によって、身体と認知機能の健康とが関連しているという徴候が述べられている。
参照
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/166/10/1115
米国のDartmouth Atlas Projectによる研究は、全米における州や病院での慢性病患者の広汎なメディケアの支出に焦点を当てている。例えば、或る人は他の人に比べ5倍も長く入院しているケースもある。また、患者への医療のために使われるメディケアの額は施設によって2倍の開きがでているケースもある。報告は医療への支出の増加は必ずしも慢性病の改善につながるわけではないと断言し、慢性病対策についての医療システムの見直しを求めている。
参照
http://www.dartmouthatlas.org/
「55歳以上労働者の最新情報」“Update of the Aged 55+ Worker”を刊行。高齢者の雇用状況、社会参加の傾向、年齢と仕事における差別、高齢者の労働形態の変化などを分析している。この報告では55歳以上の雇用者数が2005年には2004年と比べ、130万人、約5.6%増加した、としている。また、退職年齢人口(65-69歳)の労働力は2004年より2005年の方が増え、就業・求職人口も前年の27.7%から28.3%に増加したという。さらに報告は、55歳以上労働人口の増加は、2014年までには50%に達するまでの大規模で急激なものになると予測している。
参照
http://assets.aarp.org/rgcenter/econ/dd136_worker.pdf![]()
「メディケア受給者の自己負担:メディケア・アドバンテージ・プランは有効な政策か」“Medicare Beneficiary
Out-of-Pocket Costs: Are Medicare Advantage Plans a Better Deal?”と題する報告を発表。従来型メディケア加入者とメディケア・アドバンテージの加入者について、健康状態の「良好」「普通」「不良」の差による自己負担の違いを検証している。
それによると、メディケア・アドバンテージ加入者の方は、健康状態が「良好」「普通」の場合は自己負担が少ないが、「不良」の場合20%以上の人が、メディケア補足保険(Medigap)の規定が適用される従来型メディケア受給者の自己負担額を上回っている。
本報告は、現状を改善し、健康状態が良くない受給者を守るために、メディケア・アドバンテージ受給プランの標準化、過剰な負担配分の禁止などを提案している。
参照
http://www.cmwf.org/publications/publications_show.htm?doc_id=373489
※1:メディケア・アドバンテージ(メディケア・パートC)とは
メディケア・パートA/B双方に加入している者が加入可能。民間の保険者が政府に代わってパートA/Bの給付を請け負い、加入者1人当たり定額の報酬をメディケア・メディケイド サービスセンター(CMS)から受領したうえで、給付内容・サービスに係る競争を行い、パートA/Bと同等以上の給付を行うというもの。例えば、パートA/Bで給付対象外となっている予防検診などの給付が認められている。しかし、民間保険者が経費圧縮のために医師や医療機関へのアクセスを制限することが多いため加入者は少ない。
介護提供者の評価に関する2巻からなる報告書を刊行。
第1巻「介護提供者の評価に関する国民的合意の報告」では、介護提供者からの要求の体系的判断の重要性を論じ、医療などの専門家の領域に適用される基本的な原則と実践のガイドラインを提示している。さらに介護提供者評価の実施を推進するための方策について述べている。
第2巻「介護提供者の評価:現場からの声と意見」では背景となる4つの論文と、介護者評価に関係する人からの評価を2つ掲載している。
「退職した鉄鋼労働者とその医療保険給付 2004年度調査」“Retired Steelworkers
and Their Health Benefits: Results from a 2004 Survey”を刊行。2つの鉄鋼会社の倒産がその会社の退職者の医療保険給付に与えた影響を分析している。調査によると、退職者の75%は代わりとなる給付を受けている。65歳未満の退職者の大部分は新しい仕事や、COBRA(包括的予算調整強化法)を通して代わりとなる給付を受けたのに対し、65歳以上の人はメディケア補足保険やメディケア・アドバンテージを受けていることが明らかとなった。
この報告はさらに、2002年の貿易調整支援改革法(Trade Adjustment Assistance Reform Act)によって設けられた新たな医療保険税額控除の利用に触れ、それが有資格者の医療保険コストの65%までを支払っていること、55歳〜64歳までの人の約25%がこの税額控除の恩恵を受けていることなどを述べている。
参照
http://www.kff.org/insurance/7518.cfm
報告書「人類の未来の寿命:我々は頂点に達したのか、無限に伸び続けるのか」“The Future of Human Life Expectancy: Have We Reached the Ceiling or Is the Sky the Limit?”を刊行。身体障害者率の低下や子供の肥満率の増加などの傾向を考慮に入れながら、寿命の予測に関する最近の学術研究について論じている。報告は人口統計学者の広範囲の調査と人間の最長寿命予測に関する論争に言及しつつ、この分野の研究が、資源の配分計画の助力になるものとして、研究推進の重要性を強調している。
参照
http://www.prb.org/template.cfm?template=
InterestDisplay.cfm&InterestCategoryID=242
2冊の報告書を刊行。
「素晴らしきワーク・イヤーズ(Golden Work Years)を謳歌する」“Enjoying the Golden
Work Years”では、高齢労働者についての様々な研究を紹介し、最新データの分析を行っている。高齢になるにつれて自営業になる人が大幅に増えている一方、通常の退職年齢である65歳を過ぎた労働者は、60〜64歳の労働者より仕事を楽しんでいることが明らかになったと述べている。この結果は高齢で働く人の大多数が自分の仕事に満足していることを示している。これらの労働者とその職業の特徴、仕事に関する将来展望などについてさらに多くの知識を得ることは、労働人口の拡大を図る政策立案者に良き指針を与えるだろう。
参照
http://www.urban.org/publications/311324.html
「アメリカ高齢化の危険な状態:国庫をいつ破綻させるか」“U.S. Aging Time Bomb: When Will It Blow Up Treasurys ?”では、短・長期にわたる財務政策と予算のバランスの展望を概括している。その中で短期の予算見通しの方が長期見通しよりはるかに良好であると断言し、2006年度の赤字見通しは財務省の予測の4230億ドルより低くなると述べている。債券市場は当分の間は安定するが、長期的な予算の難問はなお存続し、ある種の財政危機がない限り悪化は続くだろうと予測している。
参照
http://www.urban.org/publications/1000966.html