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国際長寿センター INTERNATIONAL LONGEVITY CENTER JAPAN
ホーム > 海外情報(Policy Reportトップ) > 2006 ILC Policy Report 5月号
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■国際長寿センター(米国)ILC-USA:「短命化」の危機に注目-年次報告2005年版にて

ILC-USAは、年次報告2005年版にて国際的な平均寿命に比べてはるかに短命な個人や短命化が進行している社会について、次のように分析した。

こうした問題は世界の国々が人口の変化に関わる課題に取り組むにつれて、重要度を増している。また、2005年度における多くの機関・団体の活動の達成状況をまとめた。

  1. 2005年White House Conference on Agingの参加状況
  2. Alliance for Health & the Futureの活動
  3. ILC-USA、ILC-UK、ILC-Franceの連携による健康でプロダクティブな高齢化促進事業への取組み
  4. 睡眠と高齢者の関係を研究する「Sleep Project」の活動
  5. 人口高齢化に伴う医療と社会的需要に向けた準備に関する州政府のとりくみについて分析したアーカンソーの高齢化プロジェクトの活動
  6. 南アフリカとアルゼンチンのILC-Allianceへの新規加盟

参照
http://www.ilcusa.org/pub/annual.htm

国際ニュース
■国立疾病防疫センター(CDC):死に関するデータ速報(2004年)

CDCの医療統計センターは「死-2004年速報データ」と題する年次報告書を刊行。
米国における主なデータは次のとおり。

  1. 寿命は2004年に前年を0.4歳上まわる77.9歳の最高記録に達した
  2. 女性が80.4歳、男性が75.2歳となり、寿命の伸びは黒人・白人の男性・女性ともに見られた
  3. 白人女性が80.8歳と最も高く、次いで黒人女性76.5歳、白人男性75.7歳、そして黒人男性69.8歳となっている
  4. 2004年の死亡者数は240万人で死亡原因の上位は依然として心臓疾患、ガン、脳梗塞となっている

参照
http://www.cdc.gov/nchs/pressroom/06facts/preliminarydeaths04.htm

■メディケア:メディケア・プログラムの財政状況に関する年次報告を発表

メディケア信託理事会(Medicare Board of Trustees)の報告によると、メディケア医療保険の信託資金は2018年には底をつくと予測し、これは昨年の報告書の推計より2年早くなっている。その主な原因は、昨年病院への支払いが予想を上まわったためである。補足的医療保険(Supplemental Medical Insurance(SMI):メディケア・パートB)の資金供給の増加が続くため、2007年にはパートBの保険料月額を11%増の98.2ドルまで引き上げることが必要だと予測している。(2005年、メディケアは4,250万人に3,300億ドルを給付した)
治療費のかかる合併症を予防し、不必要な支出を抑制して、質の高いケアを支えつつ、医療コストをどのように管理するかがメディケア財政を長期的に持続するための重要な課題であると論じている。
参照
http://www.hhs.gov/news/press/2006pres/20060501.html

■年金:社会保障プログラムの財政状況に関する年次報告を発表

ソーシャル・セキュリティ信託理事会(Social Security Board of Trustees)の報告によると、ソーシャル・セキュリティ・システムの信託資金は2040年までは「支払い能力あり」としている。これは、昨年の予測より1年早まっている。さらに重要なのは、2017年にはソーシャル・セキュリティ・システムの税収が年間支出を下まわることである。2017年には連邦政府は、実際はIOU(借用証書)である信託資金の縮減を開始する必要があるとしている。このプロセスが連邦財政との関係でどのように作用するかについては明らかになっていない。
2005年には1億5,900万人がソーシャル・セキュリティの加入者として納税し、約5,210億ドルのソーシャル・セキュリティが4,800万人に給付されたとしている。
参照
http://www.ssa.gov/pressoffice/pr/trustee06-pr.htm

国際ニュース
■中南米・カリブ諸島経済委員会Economic Commission for Latin America and the Caribbean (ECLAC):社会保障の将来について

「社会保障についての将来を構築―アクセス、財政、連帯」“Shaping the Future of Social Protection: Access, Financing, and Solidarity”を刊行。中南米・カリブ諸島地区について次のように分析した。

参照
http://www.eclac.cl/default.asp?idioma=IN

■HSBC:定年についての意識調査(世界20カ国)

国際的な金融サービス会社であるHSBCは、報告書「定年後の将来―世界が求めていること」“Future of Retirement: What the World Wants”を刊行。加齢と定年についての考え方に関する調査を、世界20カ国2万人余を対象に行った。主な回答は次のとおり。

参照
http://www.hsbc.com/public/groupsite/retirement_future/
en/_overview_future_of_retirement.jhtml

■日本:トヨタ-改正高年齢者雇用安定法の遵守策を打ち出す

※くわしくはこちらをご覧ください。

参照
http://longevity.ilcjapan.org/J/t_stories/0602.html

■米国 社会保障庁Social Security Administration (SSA):公的・民間年金の最新動向

“International Update” 最新号を刊行。
英国、チリ、アゼルバイジャン、日本の公的・民間年金の最近の展開について報告。
同時に、世界銀行の年金改革対策支援についての報告書も刊行。
参照
http://www.socialsecurity.gov/policy/docs/progdesc/
intl_update/2006-04/index.html

■英国:「退職者ビレッジ」について分析

英国の政策研究センター、ジョセフ・ローンツリー財団 Joseph Rowntree Foundationは、「退職者ビレッジを解明する」“Making the case for retirement villages”を刊行。人口高齢化のニーズに合った「退職者ビレッジ」の次のような利点に注目した。

参照
http://www.jrf.org.uk/knowledge/findings/socialcare/0166.asp

■世界保健機構World Health Organization (WHO):年次報告-医療関係の労働力の危機に注目など

WHOは年次報告「2006年度世界保健報告―健康のための協働」“World Health Report 2006 -Working together for health”を刊行。
現在の世界の医療関連労働力の危機に注目し、発展途上国における医師、看護師等の保健関連職員の不足に対して積極的に提言した。
また、平均寿命等についての国際データも提供。最低はジンバブエの男性37歳、女性34歳。スワジランド(アフリカ南部)とシエラレオネ共和国(アフリカ西部・太平洋岸)も40歳以下。エイズ、貧困などが起因して下位10カ国は全てアフリカであった。最長は日本で平均82歳-男性79歳、女性86歳。
参照
http://www.who.int/whr/2006/en/

ILCトピックス:高齢化に関する研究
■老年学-老年学プログラムは、アロパシー療法(※1)専門校へ与える利点大きい

ADGAP(Association of Directors of Geriatric Academic Programs)は、「米国のアロパシー療法専門校での学術的老年学プログラム」“Academic Geriatric Programs in US Allopathic Medical Schools”を刊行。
全米で、老年学の学科(department)の数は、2001年の3学科から2005年には7学科に、学部(faculty)の数は、2001年の8学部から、2005年には10学部に増加。また、老年学プログラム実施することによって、アロパシー療法専門校は収入が増加する可能性があることを示唆した。研究団体の数の少ないことや学科の不足、世代交代による新しいリーダーの育成などが課題としてあげられている。
参照
http://www.adgapstudy.uc.edu/Publications.cfm

※編者註
老年学プログラムは、議会予算が1200万ドルから3000万ドルへ増加したこともあったが、今は予算が削除され、発展が脅かされている
※1:アロパシー療法とは
今ある症状と逆の症状を引き起こす薬を投与する治療法、現在行われている一般的な治療法

■健やかな加齢-関節炎を患う高齢者への注意事項を報告

RANDコーポレーションの調査結果では、関節炎を患う高齢者への注意事項が報告されている。高齢の関節炎患者は医療の質が低く、投薬されている薬の安全性の適切な情報を受けている人は全体の半分以下である。特に高齢者は多数の薬を服用する傾向があるので、安全な薬の使用について注意することが必要であると述べている。
参照
http://www.rand.org/news/press.06/04.04.html

NPOだより
■ACT-AD(※2):ベビーブーマーのアルツハイマー病への不安増加-キャンペーンに着手

ACT-ADは、ベビーブーマーを対象にアルツハイマー病への考え方の調査結果を報告した。 アルツハイマー病の基本的知識を得ると、ベビーブーマーの多くは、健康・QOL・経済面への打撃に不安を抱き、また薬の開発についても政府の取り組みに不安を抱いた。80%が、例えリスクがあっても病気をとめる可能性のある試薬をためしてみたい、75%がアルツハイマー病を最優先課題にすべきと答えた。
ACT-ADは、アルツハイマー病を最優先課題とするためのキャンペーン着手を予定しており、政府の関係部署や政治家と連携をはじめている。FDA(米国食品医薬局)に対し、ガンやエイズなど生命に係わる病気のためにつくられた病気認定の仕組みをアルツハイマー病にも急ぎ実施させることを当面の目標としている。
参照
http://www.act-ad.org/events.aspx

※2:ACT-AD(Accelerate Cure/Treatments for Alzheimer's Diseaseとは
アルツハイマー病の治療法の推進団体で、21のリーダー的権利擁護団体によって組織される新しい連合体

■老年問題研究同盟 Alliance for Aging Research:男性ホルモン低下の危機をうったえるキャンペーン実施をよびかけ

老年問題研究同盟は、「テストステロン(男性の性ホルモン)の低下-男性の健康状況の暗雲」“Low Testosterone: Men’s Health Condition in the Shadows”を刊行。
39歳以上の男性の3人に1人が、エネルギー低下、性欲減退、筋力低下、肥満増加といった男性ホルモンの低下の兆候が2つ以上あり、ほとんどの人が兆候に気付いていないという。同団体は、男性ホルモン低下の危機を広めるキャンペーンの実施をよびかけている。
参照
http://www.agingresearch.org/press/MHAARelease.pdf

■ボストン大学定年研究センター Center for Retirement Research at Boston College

3冊の報告書を刊行。
「退職予備軍をどう守るか?」では、健康障害や離婚、解雇といった悪いできごとが高齢者にどのようにふりかかり、退職後のプランにどのように影響するか、を報告。
50代、60代の10人に7人は、退職後の安定を脅かす悪いできごとを経験しており、退職後の悪いできごとは財産を減らす、と回答している。

参照
http://www.bc.edu/centers/crr/ib_45.shtml

報告書「カナダの退職制度改革-ソーシャル・セキュリティの資産を株式に投資」では、カナダの退職後収入を説明し、民間および公的改革の影響を検証。
民間年金改革は、確定給付型年金制度の財政引き締めを目的としており、効果がでている。一方、公的年金改革は、カナダの年金制度の2階部分(※1)に相当する所得比例年金(Canadian Pension Plan:CPP)の事前積立の強化を図ることを目的としており、株式投資の見通しは明るい。

参照
http://www.bc.edu/centers/crr/gib_5.shtml

※1:カナダの公的年金制度について
カナダの公的年金制度は日本と同様、2階建てとなっている。1階が基礎年金、2階が所得比例年金である。

報告書「ソーシャル・セキュリティの財政展望-2006年版」では、ソーシャル・セキュリティの新しい理事会(Trustees)による報告を総括し、過去1年間、ソーシャル・セキュリティの財政状況に変化はないことを述べている。

参照
http://www.bc.edu/centers/crr/ib_46.shtml

■カイザーファミリー財団 Kaiser Family Foundation:「赤字削減法(Deficit Reduction Act:DRA)」における、メディケイドの介護適用範囲の変化の報告書 5点を紹介

「DRAにおけるメディケイドの介護サービス改革による変化の概要」
「資産譲渡とナーシングホームの利用:経験的証拠と政策の重要性」では、ナーシングホームに入居するためのメディケイドの資格のある人の50%は、5000ドル以下の資産譲渡を経験していることを報告。
「お金とカウンセリングを超えるもの:予算を基盤とした地域ケアプログラムの一覧」では、利用者主体のプログラムの広がりと現在の状況について解説している。
「ナーシングホームの転換期プログラム:政府のメディケイド職員について」および「ナーシングホームの転換期プログラム:メディケイド ケアプランナーについて」では、介護を必要とする人を施設から地域へ移すためのプログラム運用について展望している。

参照
http://www.kff.org/medicaid/kcmu041706pkg.cfm

■メットライフ高齢市場研究所 Metlife Mature Market Institute:高齢者の働く理由を解説

報告書「より長く生き、より長く働く-高齢労働力の変わりゆく風景」では、高齢者が仕事や退職について最近行っている決断や、その過程で経験したことを解説している。仕事をする理由や退職が意味するもの、得られる仕事について、年代別に次のような違いがみられる。

高齢者が求める仕事の種類についても検証。60代は、その上の世代より、新しいことへのチャレンジを要望している。加齢とともに、パートタイムや自営業への要望が高まっていることが報告されている。

参照
http://www.metlife.com/WPSAssets/93703586101144176243
V1FLivingLonger.pdf

 
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